名探偵を夢見るカッレくんは自身を私立探偵ブルムクヴィストと称し、のどかな田舎町を巡回することに余念がありせん。しかし、それは遊んでいないときに限ります。長い夏休みには、赤バラ軍と白バラ軍に分かれ、バラ戦争を繰り広げるのです。
　
　穏やかで善良なる人々が住む町で犯罪が起こるという皮肉、関係がないようで後々の伏線となっている子どもたちの遊び、巧みな心理描写など、本作の魅力は数え上げてもきりがありません。真夏に裸足で外を駆け回るような、懐かしくも爽快な作品です。