美しき盲目の琴曲の名手である、高慢で我儘な春琴と、春琴からどんな折檻を受けても献身的に尽くす世話係の佐助。
ある日、春琴が顔に熱湯を浴びせられるという事件が起こる。火傷を負った女主人を前に佐助がとった行動とは—。

究極の愛であると言われればそうであるのかもしれない。そう感じさせる物語である。
あまり良い気持ちではないと感じる人も多いだろう。一方で、これほどの愛情に憧れる人もいるだろう。
献身的という言葉では納まらない、倒錯的な愛情に興味のある人に薦めたい一冊である。