展示
ファンタジーの世界へ —C.S.ルイスとJ.R.R.トールキン—
場所:図書館2階 閲覧室期間:1998年10月
"ファンタジー"この言葉の持つ調べは今までどれだけの人に勇気と希望をあたえてきたでしょうか!? 児童文学の世界には"ファンタジー"の世界を描いた作家達が大勢います。 たとえばアメリカでは「ゲド戦記」を書いたル・グィン、 「エルマーの冒険」のP.S.ガネット、 ドイツでは「モモ」「はてしない物語」の著者エンデ、 イギリスのフィリッパ・ピアスは「トムは真夜中の庭で」を、 又「不思議の国のアリス」で有名なルイス・キャロルと子供たちに勇気と希望を与えてくれた作家達は今あげた以外にも大勢います。
今回はそういった数多くの作家の中からイギリスのC.S.ルイスとJ.R.R.トールキンの二人にスポットをあてて紹介します。
ところで皆さんはC.S.ルイス(Lewis, Clive Staples)と J.R.R.トールキン(John Ronaid Reuel Tolkien)という作家をご存じですか?! この二人はオックスフォード大学で教鞭をとった同僚であり、 ともに児童文学史上に名作を残した親友同志です。
C.S.ルイス(Lewis, Clive Staples)は中世ヨーロッパ文学における 宮廷恋愛を主題にした「愛とアレゴリー」という作品で一躍名声を高らしめました。 その後「ライオンと魔女」「ナルニア国物語」という児童文学や宗教的著作など、 数々の著作を残しています。 1898年11月29日生まれ、今年が生誕100年目にあたります。 ルイスとアメリカの詩人、ジョイ・グレシャムの年齢と文化を越えた恋愛の姿は、 アンソニー・ホプキンス、デウラ・ウィンガーの主演で映画「永遠の愛に生きて」の中で描かれています。
J.R.R.トールキン(John Ronaid Reuel Tolkien)は1892年1月3日生まれで、 C.S.ルイスと同様、 オックスフォード大学を卒業、 その後第一次世界大戦に従軍して負傷しています。 入院中の読書を通して強く妖精物語にひかれます。 終戦後、 母校で英文学教授として赴任。 研究のかたわら4人の我が子に語り聞かせた話をもとに「ホビットの冒険」を発表し一躍有名になりました。 「ホビットの物語」「指輪物語」三部作で、 ファンタジーの世界を描き、 これらの作品は20世紀の児童文学の古典と称されています。
トールキンは著作「ファンタジーの世界」で
妖精の国は危険なところです。 そこには不注意な者には、落とし穴が、 無鉄砲な者には、地下牢が待ちうけています。 |
C.S.ルイス・J.R.R.トールキン関係著作目録 (1998年10月現在所蔵)
C.S.ルイス
- 著作
『語の研究 —ヨーロッパにおける観念の歴史—』 文理 1974 『愛とアレゴリー —ヨーロッパ中世文学の伝統—(筑摩叢書196)』 筑摩書店 1972 『ライオンと魔女(岩波少年少女文庫 特装版11)』 岩波書店 1990 『魔術師のおい(岩波世界児童文学集5)』 岩波書店 1993 『ライオンと魔女(ナルニア国物語1)』 瀬田貞二訳 岩波書店 1984 『カスピアン王子のつのぶえ(ナルニア国物語2)』 瀬田貞二訳 岩波書店 1984 『朝ひらき丸 東の海へ(ナルニア国物語3)』 瀬田貞二訳 岩波書店 1984 『銀のいす(ナルニア国物語4)』 瀬田貞二訳 岩波書店 1984 『馬と少年(ナルニア国物語5)』 瀬田貞二訳 岩波書店 1984 『魔術師のおい(ナルニア国物語6)』 瀬田貞二訳 岩波書店 1984 『さいごの戦い(ナルニア国物語7)』 瀬田貞二訳 岩波書店 1984 『子どもたちへの手紙』 ライル・W・ドーセット他編 中村妙子訳 新教出版 1986 『English Literature in the Sixteenth Century Excluding Drama
(The Oxford History of English Literature 3)』At the Clarendon Press 1965 『Poetry and Prose in the Sixteenth Century
(The Oxford History of English Literature 4)』At the Clarendon Press 1954 『The Discarded Image : An Introduction to Medieval and Reneissance Literature 』 Cambridge Univ. Press 1967 『Studies in Medieval and Renissance Literature』 Cambridge Univ. Press 1966 『The Allegory of Love : A Study in Medieval Tradition』 Oxford Univ. Press 1969 『Selected Literature Essays』 At the Univ. Press 1969 『The Lion, the Witch and the Wordrobe : A Study for Children
(THe Chronicles of Narnia 1)』Collie Books 1971 『The Last Battle
(THe Chronicles of Narnia 7)』Collie Books 1971 『Perelandra』 The Bodley Head 1977 『Out of the Silent Planet』 The Bodley Head 1969 『The Dark Tower and Other Stories』 Harcourt Brace Javanovich 1977 『That Hideous strength : a modern fairy-tale for grown-ups』 The Bodley Head 1976 『The Longing for a form : Essays on the fiction of C.S.Lewis』 Kent state Univ. Press 1977 - 研究書
『ルネッサンス観の変遷〔C.S.ルイスの普遍的中世観〕』 ピーター・ミルワード著 山本浩訳 荒竹出版 1985 『C.S.Lewis
(Twayne's English Authors Series 442)』 Joe R. ChristopherTwayne Publishers 1987
J.R.R.トールキン
- 著作
『ファンタジーの世界 : 妖精物語について』 猪熊葉子訳 福音館書店 1985 『ホビットの冒険(岩波少年文庫 特装版14)』 瀬田貞二訳 岩波書店 1990 『ホビットの冒険(岩波世界児童文学集6)』 瀬田貞二訳 岩波書店 1993 『ホビットの冒険 上(岩波少年文庫 2088)』 瀬田貞二訳 岩波書店 1983 『ホビットの冒険 下(岩波少年文庫 2089)』 瀬田貞二訳 岩波書店 1983 『指輪物語 新版 第1部 旅の仲間』 瀬田貞二, 田中明子訳 評論社 1995 『指輪物語 新版 第2部 二つの塔』 瀬田貞二, 田中明子訳 評論社 1995 『指輪物語 新版 第3部 王の帰還』 瀬田貞二, 田中明子訳 評論社 1995 『Ancrene Wisse (Early English Text Society 249)』 Oxford Univ. Press 1962 - 研究書
『The Lord of the Rings and the Hobbit
(Cliffs Notes Handbook Literary Libraries 3 English Literature)』Moonbeam Publication 1989 『J.J. Tolkien (Twayne's ENglish Authors Series 304)』 by Kinley E. Roby Twayne Publishers 1980 『J.J. Tolkien (Modern Literature Monographs)』 by Katharyn F. Crabbe Frederick Ungar Pub. Co. 1981