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『ガダラの豚』    中島 らも著       集英社:1996


川上 正浩講師 (人間科学部心理学科)

文庫で㈵巻から㈽巻までありますが, 読み始めたら止まらない小説ですから, あっという間にラストまで読んでしまいました。

推理小説、という見方が正しい (日本推理作家協会賞受賞ですし)と思うので、 あらすじを紹介することは止しておきましょう。 “呪い”という超常現象をめぐって、東京とアフリカを舞台に物語が展開します。 中島らものサービス精神と膨大な資料による情報量に圧倒されます。 エンターテイメント色が強いですが、科学や宗教、呪術、ドラッ グ、 そしてなにより人間というものの弱さと強さについて考えるきっかけにもなるでしょう。 とにかく楽しんで読んでもらうことができるのが一番のおすすめ ポイントです。