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『ファッションデザイナーココ・シャネル』    実川 元子 著        理論社:2000


村田 仁代教授 (学芸学部被服学科)

シャネルと言えば、 ブランド品や化粧品メーカーの一つだと思う人がいるかも知れない。 これは1883年に生まれ、1910年に初めて出店し、 その後1971年の亡くなる前日までオート・クチュールの女性デザイナーとして活躍したガブリエル・シャネルの伝記です。 まだヨーロッパ社会に階級制が色濃く残り、 女性がようやく職業を持ち始めた頃に、 シャネルは職業人として自立し、モードの創造を通して女性の身体を解放し、 旧来の女性像や階級制と着装規範を否定して新しいモードを確立しました。 服飾のデザインは気まぐれやイメージによって造られるのでなく、 生き方やライフスタイルを表現するものです。

この本を読んで、自分自身の将来像とデザインについて考えてみることを、 被服学科以外の人にもお奨めします。