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『母という暴力』  芹沢 俊介 著  春秋社:2001


鳥山 平三教授 (人間科学部心理学科)

今日、女性が「母親をする」(母親の役割を自然に果たす)ことが非常に難しくなっています。 男性が「父親をする」ことも同じように、決して楽なことではありませんが・・・。

とりわけ「母親になる」ことと違い、 現代女性にとって「母親をする」ことは予想もしなかったことの連続で、 子どもとどのように関わっていいのかわからず、混乱と不安で、 子育てが暗礁に乗り上げてしまうことが多いようです。 「幼児虐待」の悲しいニュ−スが後を絶ちません。

本書では、「母親」と「暴力」とは無縁であるという今も根強く人々をとらえている神話に対し、 それをよく検討して、この神話を解体してこそ、 母親という存在が暴力から解放される道がひらける、と丁寧に解説しています。