展示

「クローディアの秘密」

E.L.カニグズバーグ作 松永 ふみ子訳 

岩波書店 2001(岩波少年文庫)

小阪:909.8||I1||16 (052863D)

   小阪:933.97||K8||1 (353046J)

小阪:909.8||I1||3-50(276632J)

                     

大橋 岑吉(児童学科)

 

 まもなく12歳になる少女クローディアが用意周到な計画を立て、お金の計算に聡い弟と家出し、ニューヨークのメトロポリタン美術館に潜入する。その時、美術館が購入した小さな彫像がミケランジェロの作であるかの真贋論争が起こっていた。クローディアと弟はミケランジェロについて調べ、決め手となると考えたマークを見つけ、美術館に手紙を出す。それは幼稚なものであったが、美術館から丁寧で真面目な返答をもらい、初めて大人の扱いを受けたと感じる。彼女たちにとって、家出やお金のことは問題ではなくなり、真実を求めることが感心事になる。その過程で両親や家族の絆を感じていく。

 この作品は児童文学となっているが、大人にも面白い作品である。