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「心は実験できるか : 20世紀心理学実験物語」

ローレン・スレイター 紀伊國屋書店 2005年
 
川上 正浩 (心理学科)

 心理学実験版、「プロジェクトX」という感じの本です。 心理学の分野では、これまでに多くの実験が行われてきました。 これらの実験のいくつかは、今では「教科書に載っている知識」に昇華していますが、 実験の現場で実験を行っているのも、実験の対象者となっているのも、 いずれも人間です。 過去の有名な心理学実験を取り上げ、その計画者、実行者である心理学者や、 その実験に参加した対象者に、「人間」としてのスポットライトを当てて、 その歴史を追いかけたのが本書です。 「プロジェクトX」のように、 必ずしも後味の良いストーリーばかりではないですが、 「人間」「科学者」「価値」について考えてみたい人にお薦めです。
[目次]
 1 スキナー箱を開けて—スキナーのオペラント条件づけ実験
 2 権威への服従—ミルグラムの電気ショック実験
 3 患者のふりして病院へ—ローゼンハンの精神医学診断実験
 4 冷淡な傍観者—ダーリーとラタネの緊急事態介入実験
 5 理由を求める心—フェスティンガーの認知的不協和実験
 6 針金の母親を愛せるか—ハーローのサルの愛情実験
 7 ネズミの楽園—アレグザンダーの依存症実験
 8 思い出された嘘—ロフタスの偽記憶実験
 9 記憶を保持する脳神経—カンデルの神経強化実験
10 脳にメスを入れる—モニスの実験的ロボトミー
関屋:140.75||Sl (416841B)

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