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「楊貴妃 : 大唐帝国の栄華と暗転」

村山吉廣 中央公論社 1997年
 
北村 英子(国文学科)

 『源氏物語』の首巻、「桐壷」の巻が「長恨歌」を踏まえ、 桐壷の更衣を楊貴妃になぞらえて書かれていることは周知のところであろうが、 平安文学において、この他『枕草子』・『更級日記』・『浜松中納言物語』・ 『今昔物語』等の作品においても、 「長恨歌」の影響が随所にみられる。 また、鎌倉文学や室町文学の『平家物語』・『保元物語』そして『太平記』等にも 「長恨歌」と関係のある記述がみられ、 日本文学とのかかわりが深い。 したがって、本書を読んでおくと特に多くの国文の授業に役立ち、理解を助ける。 漢文体は読みやすく訓読体で書かれ難字はルビを付し、 語釈、口語訳も施されているため、実に平易に読める。
[目次]
第1章 玄宗とその時代
第2章 玉環から楊太真へ
第3章 楊貴妃の栄華
第4章 天下大乱
第5章 玄宗蜀幸
第6章 長恨歌の世界
第7章 余聞・遺事
第8章 楊貴妃と文学
小阪:080||C64||1348 (256216C)

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