自らのカルテル(麻薬密売組織)を抗争で失ったばかりのバルミロは、潜伏先のジャカルタで日本人の元心臓血管外科医・末永と出会う。2人は日本で臓器密売ビジネスを立ち上げ、拡大し、多くの人びとを欲望の渦に巻き込んでいく。バルミロのルーツはかつて生贄の心臓を神に捧げる儀式を行っていたというアステカ文明にあった……。闇に息づいた人々を克明に描く群像劇。長編でしたが先の展開が気になって仕方なく、一気に読んでしまいました。