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『スタンド・バイ・ミー』(新潮文庫) キング、スティーブン著;山田 順子 訳 新潮社:1987
専門書なら授業で紹介するでしょうから、 小説「スタンド・バイ・ミー」を挙げます。 映画化もされましたが、 私が感銘を受けたのは原作の本の方です。 学生時代に本書を読んで、 真に繋がり合った友人同士では悪態をつくことが時に優しさになることに感動し、 篤い友情物語と思いきや非情な結末に唸ったものでした。 そして、クライマックスで危機的状況に立った友人が主人公に望んだのが “please help me”ではなく、 “stand by me”だったことは、 心理療法の本質を示しているように思います。
著者スティーブン・キングはホラー作家でも有名ですが、 やはり映画化された「ショーシャンクの空に」や「グリーン・マイル」等、 ヒューマニスティックな物語も多く書いています。 気に入った人は、長編の「IT」もお勧めします。