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『雍正帝』(宮崎市貞全集 第14巻 宮崎市定 著 岩波書店:1991
中国最後の世界帝国・清朝の最盛期に君臨した雍正帝。 その独裁君主としての活躍と、知られざる孤独な内面を見事に描いた本書は、 すぐれた歴史案内書であるとともに、 下手な小説よりはるかに面白い読みものでもある。 著者は明治生まれなので、少し難しい漢字や言葉遣いはあるかもしれないが、 概して文章は平明で読みやすく、 活き活きとした人物描写は学者の文章とは思えぬほど。 それほど長くもないので、たまにはこんな本で秋の夜長を過ごしてみてはどうだろう。