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『教育改革をデザインする』
   佐藤 学著
      岩波書店:2000


塩見 愼朗教授 (人間科学部児童学科)

歴史的に眺めてみても、現代ほど学校教育が信頼を失った時代はかってない。 不登校の児童・生徒が13万9000人おり、中学生では36人に1人が不登校である。 わが国の高度成長期においては、ほとんどの子供は親より高い学歴と社会的地位を得ることができた。 したがって、世界のどの国よりも学校への信頼度が高く、教師を尊敬し勉学への意欲があった。

本書は高度成長期を終え、 学校神話が終焉したわが国のとるべき教育改革は競争の原理から共生の原理へと転換することだと述べ、 その筋道を示している。 この書は子どもがあれる根本原因を知るためにも多くの示唆を与えてくれる。