展示
「桃源郷ものがたり」
松居 直(まつい ただし)文、蔡 皋(さい こう)絵
福音館書店 2002
関屋:726.5||Ma77(393042F)
高橋 晴子(学芸学部 一般教育)
つい最近、1冊の絵本に出会いました。
中国古代の大詩人である陶淵(365-427)の『桃花源記』を絵本にした『桃源郷ものがたり』。
ひとりの漁師が、洞穴を見つけました。その洞穴を通りぬけると、そこには桃の花につつまれた別世界が・・・。
じぶんで読むなら小学校初級向き、とあります。おおかたがひらがなによる、やわらかい文章と、1ページA3横変型の見開きページに、素朴なあたたかい暮らしが、のびのびとひろがっています。絵を描いた蔡さんは、現代中国を代表する絵本画家だそうです。当時の風俗もよく描けています。
陶淵明の原作についてはいろいろな解釈があるようですが、理想郷はいつも心に描いていたいものですね。皆さんを、皆さんそれぞれの理想郷に導いてくれる、そんな力ももった絵本です。
ところで、樟蔭には、陶淵明に関する資料として、『陶淵明全集』や、ビデオがあります。あわせてご覧ください。