展示

「聴竹居に住む-モダニストの夢-」

高橋 功

産経新聞ニュースサービス  2004

  小阪:527||Ta33(389462C)

 

高橋 (インテリアデザイン学科)

 

●先生は、“私のすすめる一冊”として自著を推薦してくださいました。推薦文は、雑誌『室内』2004年3月号に掲載された書評でご紹介いたします。

 

『人の家や部屋をみるのはなぜかワクワクする。まして豪邸だったり、著名な建築家の作となればなおさらだ。「聴竹居」は、明治21年生まれの建築家藤井厚二の自宅である。今年で築76年を迎える。「最も現代に適合する住宅」をテーマに、大正から昭和にかけて作った実験住宅の5作目で、藤井厚二最高の作と誉れ高い。

著者の高橋功さんは、縁あってこの聴竹居を、4年前からアトリエとして使っている。インテリアデザインの仕事に永く携わる高橋さんは、小誌連載「ぐるっと近畿・インテリアの旅」でも分かるように、幅広い知識を持っている。その高橋さんが、聴竹居を分析し、解説しているのがこの一冊。これほど設計の意図を読み取ってもらえるなんて、設計者冥利に尽きるだろうと唸ってしまうほど、子細に解説されている。玄関に通じる石段では、段差や段数、踊り場の設け方の妙を解説して一項目。玄関では、日本では珍しい内開きドアの利点を讃えて一項目と、聴竹居の全てが分かった気分になる。

写真も豊富でわかりやすく、四季ごとに構成を分けて、自ずと季節感を感じるようになっているのもいい。(遊)』

(雑誌『室内』2004年3月号掲載)