展示

「十五年戦争小史」新版)

江口 圭一

青木書店 1991

小阪:210.7||E2||1(060041F)

関屋:391.2||E33(294515B)

 

 吉田 守男(日本文化史学科)

 

 本書は、満州事変・日中戦争、そしてアジア太平洋戦争とつながる15年戦争において、何が原因で戦争が起こり、その結果としてどのような事態が生じ、その結果がまた次の戦争の原因ともなるという〈戦争における矛盾の連鎖〉を解きほぐし、一貫した論理と方法論を駆使して、15年戦争史の全面的体系的把握を著者が独力で果してみせた成果である。

 不幸にして著者は昨年亡くなられたが、本書は、学生用の講義ノートが原型となって著述されたものであり、15年戦争の全面的かつ体系的な理解を得るために今日われわれが入手しうる最良の歴史書である。