展示

赤毛のアンの世界    -L.M.モンゴメリ生誕130年-

場所:分館(関屋キャンパス)1階閲覧室
期間:2004年11月15日(月)~12月11日(土)

『赤毛のアン』の魅力

 『赤毛のアン』は、 カナダ人作家ルーシー・モード・モンゴメリによって書かれ、 1908年に、アメリカ、ボストンの出版社によって発行された長編小説である。 以来、世界中で広く読まれ、日本においても、第二次大戦後、 1952年に村岡花子氏による初訳が出てから現在にいたるまで、 圧倒的多数の読者を獲得してきた。

 さて、『アン』の魅力とは、いったい何だろうか。  一つには、アン・シャーリーという個性的な少女像があげられる。 アンは、赤ん坊の時に両親と死に別れた孤児で、 兄弟も親戚もいない天涯孤独の身だ。 しかも、やせっぽちで、ソバカスだらけ、髪だって人参のように赤い。 そして、まことにお喋りで、いつもあれこれ話している。 その一方で、ロマンティックな空想が大好きで、 しばしば夢のような想像にひたりきってぼんやりしてしまい、 滑稽な失敗をさんざんやらかすのである。

 私たちは、まず最初に、このちょっと変てこなヒロインに惹きつけられる。 なんと面白くて、そして可愛い女の子なのだろうと。 そんなアンが引き取られていく先は、 これまで人づき合いもあまりなくひっそりと生きてきたマシューとマリラだ。 孤児と老いた独身兄妹、 という奇想天外な取りあわせが登場する出だしから、 私たち読者は物語にすっかり魅了され、先ゆきに興味がそそられていく。

 その後のストーリーは、ご存じの通り、アンは、 周囲の人たちの愛情と友情に恵まれ、美しい田園の中でのびのびと育っていく。 彼女は、生まれつきの明るさと利発さをすこやかに開花させ、 最後には、愛情深く、賢く、 そして独特の魅力を持った美しい娘へと成長していくのである。 そのすこやかな成長の軌跡が、何よりもすがすがしく、 心洗われる印象を与えてくれる。 と同時に、マシューとマリラもまた、 変わっていく。 アンが来るまでは、 世間を避けるように兄妹だけで陰気に暮らしてきた気むずかしい変わり者だった二人が、 アンという生き生きとした少女を一人前に育てあげることによって、 人を愛する喜び、愛される幸福を深く心に刻んでいく。 つまり彼らもまた成長し、暖かみのある人物へと変貌しながら、 世界に心を開いていくのだ。

 このように『アン』を読むことで私たちは、一人の少女の確かな成長と、 それがまわりの大人たちに幸福をもたらす過程を目の当たりにして、 しみじみとした感動につつまれる。

 幼い子どもから、異性にときめき、 人生に対するしっかりした考えを持った若者へと育っていくアン、 そして、死という人生の結末へむかって弱っていくマシューとマリラ。 この作品には、育っていくもの、老いていくもの、 という二つの生が交差している。 そこから、世代をこえても変わらない幸福の真実を、 『赤毛のアン』は私たちに教えてくれる。

引用:新完訳『赤毛のアン』(「訳者あとがき」集英社文庫・松本侑子訳)


赤毛のアンシリーズ

書名 翻訳者、その他 出版社 出版年
赤毛のアン 村岡花子 新潮社 1979
赤毛のアン 村岡花子 新潮社 1992
赤毛のアン 村岡花子 新潮社 1987
赤毛のアン きったかゆみえ訳
頓田室子画
金の星社 1989
アンの青春 -第2赤毛のアン- 村岡花子 新潮社 1977
アンの青春 村岡花子 新潮社 1989
アンの青春 上 茅野美ど里 偕成社 1991
アンの青春 下 茅野美ど里 偕成社 1991
アンの青春 きったかゆみえ訳
頓田室子画
金の星社 1990
アンの愛情 -第3赤毛のアン- 村岡花子 新潮社 1977
アンの愛情 村岡花子 新潮社 1956
アンの婚約 中村佐喜子 角川書店 1977
アンの友達 -第4赤毛のアン- 村岡花子 新潮社 1977
アンの友達 村岡花子 新潮社 1989
アンの幸福 -第5赤毛のアン- 村岡花子 新潮社 1984
アンの幸福 村岡花子 新潮社 1990
アンの愛の手紙 中村佐喜子 角川書店 1979
アンの愛の手紙 中村佐喜子 角川書店 1977
アンの夢の家 -第6赤毛のアン- 村岡花子 新潮社 1977
アンの夢の家 村岡花子 新潮社 1988
炉辺荘のアン -第7赤毛のアン- 村岡花子 新潮社 1972
炉辺荘のアン 村岡花子 新潮社 1989
アンをめぐる人々 -第8赤毛のアン- 村岡花子 新潮社 1976
アンをめぐる人々 村岡花子 新潮社 1972
虹の谷のアン -第9赤毛のアン- 村岡花子 新潮社 1976
虹の谷のアン 村岡花子 新潮社 1959
アンの娘リラ -第10赤毛のアン- 村岡花子 新潮社 1977
アンの娘リラ 村岡花子 新潮社 1959
アンの村の日々 上坪正徳訳
鈴木通画
篠崎書林 1977
アンの村の日々 上坪正徳 篠崎書林 1983
アンの村の日々 (続) 上坪正徳 篠崎書林 1983
アンの村の日々 (続) 上坪正徳・山田芳子訳
鈴木通画
篠崎書林 1980
Anne of Green Gables retold by Clare West Oxford University Press 2000
Anne of green gables retold by Anne Collins Pearson Education 2002
Anne of Green Gables Penguin 1977
Anne of Green gables illustrations by Sybil Tawse David Campbell 1995
Anne of Green Gables Puffin Books 1994
Anne of Green Gables illustrations by Sybil Tawse Knopf 1995
Anne of Green Gables Puffin Books 1977
Anne of Avonlea Puffin Books 1994
Anne of Avonlea Puffin 1979
Anne of the Island Puffin Books 1994
Chronicles of Avonlea Puffin Books 1994
Anne of Windy Willows Puffin Books 1994
Anne of Windy Willows Puffin 1983
Anne's house of dreams Puffin Books 1994
Anne's house of dreams Puffin 1981
Anne of Ingleside Puffin Books 1994
Rainbow Valley Puffin 1993

赤毛のアン関連書

書名 著者名 出版社 出版年
赤毛のアンの庭で プリンス・エドワード島の15か月 奥田実紀 文・写真 東京書籍 1995
赤毛のアンに出会う旅 折原みと、プリンス・エドワード島を訪ねて 折原みと ポプラ社 1995
赤毛のアンの手作りノート 文化出版局編
松浦香苗作品
文化出版局 1979
赤毛のアンのお料理ノート 文化出版局編
西川治撮影
文化出版局 1979
赤毛のアンに出会う島 プリンス・エドワード島の四季 写真集 嶋田宏一 文・構成、吉村和敏 写真 金の星社 1995
赤毛のアン フォーインクリエイティブプロダクツ編 フォーインクリエイティブプロダクツ 1996
赤毛のアンの宝石箱 キャロリン・ストーム・コリンズ、クリスティーナ・ワイス・エリクソン著
清水奈緒子訳
金の星社 1993
やっぱり赤毛のアンが好き 松本正司[ほか]著 世界文化社 1994
「赤毛のアン」の挑戦 横川寿美子著 宝島社 1994
赤毛のアンの世界 -作者モンゴメリの生きた日々- モリー・ギレン著
中村妙子訳
新潮社 1986
『赤毛のアン』の島へ -名作の故郷 プリンス・エドワード島紀行- 塩野米松 文芸春秋 1990
夢みる旅『赤毛のアン』 -永遠の名作をより深く味わうために- 文藝春秋編 文藝春秋 1992
赤毛のアンと大草原のローラ -女教師・子どもの世界の響きあい- 高山智津子 清風堂書店出版部 1991
The annotated Anne of Green Gables edited by Wendy E. Barry, Margaret Anne Doody, Mary E. Doody Jones Oxford University Press 1997

モンゴメリ著書

書名 翻訳者、その他 出版社 出版年
果樹園のセレナーデ 村岡花子 新潮社 1961
ストーリー・ガール 上 木村由利子 篠崎書林 1983
ストーリー・ガール 下 木村由利子 篠崎書林 1983
黄金の道 : ストーリー・ガールpart2 (上) 木村由利子 篠崎書林 1983
黄金の道 : ストーリー・ガールpart2 (下) 木村由利子 篠崎書林 1983
険しい道 : モンゴメリ自叙伝 『赤毛のアン』が生まれるまで 山口昌子 篠崎書林 1979
可愛いエミリー 村岡花子 新潮社 1964
エミリーはのぼる 村岡花子 新潮社 1967
エミリーの求めるもの 村岡花子 新潮社 1969
青い城 谷口由美子 篠崎書林 1983
マリゴールドの魔法 (上) 田中とき子 篠崎書林 1983
マリゴールドの魔法 (下) 田中とき子 篠崎書林 1983
もつれた蜘蛛の巣 (上) 谷口由美子 篠崎書林 1983
もつれた蜘蛛の巣 (下) 谷口由美子 篠崎書林 1983
銀の森のパット (上) 田中とき子 篠崎書林 1983
銀の森のパット (下) 田中とき子 篠崎書林 1983
丘の家のジェーン 村岡花子 新潮社 1960
ルーシーの約束 山口圭三郎, 山口昌子共訳 篠崎書林 1983
G.B.マクミランへの手紙 F.W.P.ボールジャー,E.R.エバリー編
宮武潤三, 宮武順子訳
篠崎書林 1992
Emily of new moon Puffin 1990

モンゴメリ関連書

書名 著者名 出版社 出版年
L.M.モンゴメリの島 : プリンス・エドワード島 写真集 フランシス・W.P.ボールジャー編
ウェイン・バレット, アン・マッケイ写真
宮武潤三, 宮武順子訳
篠崎書林 1983
わたしの赤毛のアン : モンゴメリの生涯 キャサリン・M.アンドロニク著
折原みと訳
ポプラ社 1994
運命の紡ぎ車 : L.M.モンゴメリの生涯 モリー・ギレン著
宮武潤三, 宮武順子共訳
篠崎書林 1979


映画

作品名 監督、他 出版社 出版年
赤毛のアン ケヴィン・サリヴァン製作総指揮・監督・脚本 パイオニアLDC 1989
続・赤毛のアン アンの青春 ケヴィン・サリヴァン製作・監督・脚本 パイオニアLDC 1991

L.M.モンゴメリ年譜

できごと 執筆活動・著作物
1874 0 11月30日、ルーシー・モード・モンゴメリ、プリンス・エドワード島(以下P.E.I.)北岸クリフトン・コーナー(現ニュー・ロンドン)で生まれる。
母方の祖母からルーシーという名前を貰い、ヴィクトリア女王の娘、モード王女にちなんでモードと名付けられた。
1876 2 9月、病弱だった母クララ、結核のため死亡。
母方の祖父母に養育される。
1881 7 P.E.I.キャヴェンディッシュの学校へ入学。
1883 9 父、カナダ西部のサスカチェワン州プリンス・アルバートに移住する。 詩「秋」、詩「森の君主」
1884 10 このころ作った詩「たそがれの夢」を出版社、新聞社に送るが、不採用。
1886 12 学校の友達と「物語クラブ」を結成。 「私のお墓」、「フロッシー・ブライトアイズの物語」
1887 13 父がメアリ・アン・マックレーと再婚、ケイトが生まれる。
1889 15 9月、日記をつけはじめる。以後53年間つづく。
1890 16 8月、父の元に引き取られることになり、父方の祖父とともに、サスカチェワン州プリンス・アルバートへ。
P.E.I.をはじめて離れる。
27歳の継母に初めて会う。
エッセイ「マルコ・ポーロ号の座礁」(全カナダ賞地区予選3位入賞)
詩「ルフォース岬の伝説」(シャーロットタウン・パトリオット紙に掲載)
1891 17 2月、弟ブルース誕生。
夏 継母との関係がうまく行かず、ホームシックが募ってキャヴェンディッシュに戻り、パーク・コーナーに滞在。子どもたちに音楽を教える。
「西部の楽園」(プリンス・エドワード・タイムズ紙他に掲載)
1892 18 教師になるために、シャーロットタウンにあるプリンス・オブ・ウェールズ・カレッジに入学。 大学では、詩や物語を雑誌に送って原稿料を貰っている学生として知られていた。
1893 19 バイドフォードの学校で教師になり、メソジスト教会の牧師館に下宿する。 モード・キャベンディッシュのペンネームで雑誌に詩が採用される。
1894 20 ノヴァスコシア州ハリファックスのダルハウジー大学で英文学の特別講義を受講する。 方々から小切手で報酬を受け取るようになる。
1895 21 ノヴァスコシア州ベルモントの小学校に赴任する。 『赤毛のアン』のもととなるアイデアを書く。
1897 23 "エドウィン・シンプソンと婚約する(同年婚約破棄)。
ロウアー・ベデックの小学校に赴任する。
下宿先の長男ハーマン・リアードと恋愛。
1898 24 母方の祖父が亡くなり、祖母の世話をするためキャベンディッシュへ戻る。
祖母が経営する郵便局を手伝う。
1899 25 ハーマン・リアード病死。
1900 26 1月、父ヒュー・ジョン、肺炎のため死亡。
1901 27 ハリファックスのクロニクル紙の夕刊デイリー・エコー紙で、新聞記者として働く。 「社交欄」の編集と執筆を担当し、シンシアというペンネームで「アラウンド・ザ・テーブル」というコラムを書く。
週1回掲載される。
1902 28 3月、イーフレイム・ウィーバーとの文通始まる。以後40年続く。
6月、デイリー・エコー紙退職、キャヴェンディッシュの祖母の元へ帰る。
この1年間で30作品が新聞・雑誌に採用された。
1903 29 いとこのフレデリカ・キャンベル(愛称フレッド)と友情を深める。
1905 31 ユーアン・マクドナルド牧師、キャヴェンディッシュに移り住む。 10年前のノートのアイデアをもとに、『赤毛のアン』執筆開始。
10月完成。
しかし6社で不採用。
1906 32 10月、ユーアンと婚約。 4月、ボストンのL.C.ページ社で『赤毛のアン』採用決定。
1908 34 6月、『赤毛のアン』刊行。大ベストセラーとなり、世界的な名声を得る。
1909 35 『アンの青春』
1910 36 『赤毛のアン』を出版したベージ社のページ兄弟に招かれて、ボストンへ旅行する。 『果樹園のセレナーデ』
1911 37 3月、母方の祖母、肺炎のため死亡。
7月、ユーアン・マクドナルドと結婚。
イギリス、スコットランドへ新婚旅行。
9月、リースクデールにある牧師館へ引っ越す。
『ストーリー・ガール』
1912 38 7月、長男チェスター・キャメロン誕生。 短編集『アンの友達』
1913 39 11月、トロントのウイメンズ・カナディアン・クラブに招待され、初めての講演会を行う。 『黄金の道』(『ストーリー・ガール』の続編)
1914 40 8月、次男ヒュー・アレクサンダー死産。
1915 41 結婚後はじめて、P.E.I.へ里帰りする。
10月、三男ユーアン・スチュワート誕生。
『アンの愛情』
1916 42 "ページ社との不和が法廷闘争へと発展する。
ページ社との契約終了を待ってトロントのマックレランド・アンド・スチュワート社と契約する。
詩集『夜警』(モードの唯一の詩集であり、戦地で命を落としたカナダの兵士達に捧げられている)
1917 43 『アンの夢の家』
自伝『険しい道』(エブリ・ウーマンズ・ワールド誌に連載)
1919 45 仲良しのいとこフレデリカ・キャンベル、流感のため死亡。
9月、以前から頭痛を訴えていた夫が、ボストンで精神科医の治療を受け、神経衰弱と診断される。
『虹の谷のアン』
『赤毛のアン』初映画化(ウィリアム・デスモンド・テーラー監督、メアリー・マイルズ・ミンター主演)
1920 46 キャベンディッシュの祖父母の家が取り壊される。 『アンをめぐる人々』(ページ社が著者に無断で出版)
1921 47 『アンの娘リラ』
1923 49 カナダ女性として初めて英王立美術協会芸術部門の会員に迎えられる。 『可愛いエミリー』
1925 51 2月、夫が最悪の発作を起こし、回復の見込みはないと判断する。 『エミリーはのぼる』
1926 52 オンタリオ州ノーヴァルにある牧師館へ引っ越す。 『青い城』
1927 53 モードの作品のファンだったイギリス首相スタンリー・ボールドウィンが、カナダを公式訪問し、彼女をガーデン・パーティに招待する。トロントでイギリスの首相や皇太子に謁見する。 『エミリーの求めるもの』(エミリー・シリーズの完結編)
1928 54 ペンフレンドのイーフレイム・ウィーバーと初対面。
1929 55 10月、株式の大暴落で投資していた会社が損失を受けて以来、経済的に苦しむ。 『マリゴールドの魔法』
1931 57 『もつれた蜘蛛の巣』
1933 59 年末、長男が、密かに長老派協会の長老の娘と結婚していたことが発覚する。 『銀の森のパット』
1934 60 病気がちの夫に対する不信の声が広まる。
職務を休むことが多いので教会を運営する長老達から村を去ってほしいという話が出る。
伝記集『勇敢な女性』(2人の女性作家と共著)
『赤毛のアン』再映画化(ジョージ・ニコルスJr.監督、アン・シャーリー主演)
1935 61 3月、ユーアン辞職。一家はトロントに引っ越す。
リバーサイド通り210番地にある売り家を購入、「旅路の果て荘」と名付けた。
ジョージ5世の在位25年を祝う特別叙勲で大英帝国勲章をオタワで授与される。
フランス芸術院の会員に選出される。
『パットお嬢さん』
1936 62 『アンの幸福』(アン・シリーズを再開)
1937 63 キャヴェンディッシュ村の一部が国立公園となり、カナダ政府によって復元されたグリーン・ゲイブルズが一般公開される。 『丘の家のジェーン』
『赤毛のアン』が2種類の舞台になる。
1938 64 健康を害し、その後も完全な回復を見ることはできなかった。
1939 65 『炉辺荘のアン』
1940 66 『アンの幸福』映画化(「そよ風の町」ジャック・ヒブリー監督、アン・シャーリー主演)
1941 67 4月24日、モード、「旅路の果て荘」で死去。故郷P.E.I.のキャヴェンディッシュ共同墓地に埋葬される。
追悼式で詩『夜警』と『アンの友だち』が朗読された。
1942 ユーアン死去、モードの隣りへ埋葬。
参考文献:『わたしの赤毛のアン―モンゴメリの生涯―』キャサリン・M・アンドロニク著 ポプラ社