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「虚数の情緒 : 中学生からの全方位独学法」

吉田武 東海大学出版会 2000年
 
門 正博(人間関係科)

 とても、大部の本である。 見ただけで、しかも数学の本であるということから、しり込みする人が多いだろう。 だが、あまり深刻にとらえる必要はなく、読み物として接すればよい。 「数の歴史」に関する本である。 自然数から、整数、分数、小数、有理数、無理数と理解が進んで行く経過をたどり、 虚数などという想像上の数字を導くまでの考え方が詳しく書かれている。 そのために1000ページにもなる本になっている。
 想像上の数(虚数)を導入することで、現実の数(実数)がよく分かるのである。
 著者の語りぶりなど、好き嫌いがあるだろうが、 小学校以来学んできたことの背景がよく分かる。 読み疲れたときには、枕にもなる。 ただし、厚めのタオルを準備しておかないと首を痛めるので注意。
[目次]
第1部 独りで考える為に(方法序説:学問の散歩道)
第2部 叩け電卓!掴め数学!(自然数:数の始まり/整数:符号を持つ数/有理数:比で表せる数 ほか)
第3部 振子の科学(物理学の出発点:力学/重力と振子の饗宴/波と粒子の狭間で)

関屋:410||Y86 (340978D)

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