「いったいどんな結末を迎えるんだ!?」と思いながら最後のページをめくるも、なんか思わせぶりななんとでもとれる文章で終わった……そんな経験はありませんか?
私はそういうお話が結構好きなのですが、人によっては拍子抜けかもしれませんね。そのような構成の物語をリドルストーリーというそうです。
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|ト|
|ム|
|・|
|リ|
|ド|
|ル|
| ̄ ̄ ̄  ̄|
| |三三| |
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↑これはトム・リドルの墓です。
本作には作中作として五つのリドルストーリーが登場します。
しかしその五つは最初から読者に提示されているわけではなく、主人公たちが過去の文献や作者の知人、そして"後年書かれたであろう結末部分の原稿"をたよりに見つけ出していきます。
個人的にこの地道な探索パートが読んでいて楽しく、点と点が線で繋がる感覚や、一筋縄ではいかない人物とのやりとりを追体験しているような読み心地でした!
派手な推理活劇が展開されるわけでも何かが解決に向かうわけでもない、それでも読み進めて結末を見届けたくなるような一冊です。
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