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ペンネーム もぐら
書名 ヘヴン
著者 川上未映子
出版社 講談社
おすすめ度
推薦のことば
この本は、常日頃から過激な虐めを受けている主人公「僕」が、筆箱に入っていた「わたしたちは仲間です」と書かれた手紙を見つける場面から始まる。
「僕」の受ける虐めは、チョークを食べさせられる、人間サッカーにされるなど、一言では言い表せないほど痛々しく、思春期特有の幼稚さと残酷さがむき出しになったものだ。それらを濁すことなく鮮明に描くことで、「僕」の感覚が読み手である自分にも重なり、息が苦しくなる瞬間が何度もあった。それでも頁をめくる手は止まらない。
この作品には、抗えないほどの引力がある。物語の中で主人公の名前は明かされず、「君」と呼ばれることで、読者は「僕」に限りなく近い場所へと引き寄せられる。「僕」以外の人物の価値観や存在はどこか不透明で、完全には理解できないが、その曖昧さこそが人と関わることの本質なのだと感じた。
重く感じる場面もあるが、静かに心に残る作品なので、気になったらぜひ読んでみてほしい。
資料ID 491398B 請求記号 B1-728-