事故で両親をなくしたグウェンドリンとキャットの姉弟は、遠縁にあたるクレストマンシーにひきとられるが・・・

　私たちの世界の隣にある別世界。そこでは魔法が音楽と同じように当たり前に存在している。
グウェンドリンは将来が有望な魔女だと皆にちやほやされているが、キャットは魔法がまったく使えない。そのため自分に自信がなく、いつも姉の陰でビクビクしている。そんなキャットの成長を描いた一冊。

　強烈な個性を持つ面々(グウェンドリンのいたずらはえげつない)に、先の読めない展開は作者の
十八番であるが、本書には謎解きの一面もある。数々の伏線が明らかにされる終盤は、何度読んでも
爽快。