マチルダは天才少女。三歳になる前に字が読めるようになり、四歳で有名な文学作品も読みこなす。とこ
ろが両親ときたら、そんな娘を「かさぶた」あつかい。「物知らず」だの「ばか」だのと、どなりちらして
ばかり。学校にあがると、そこには巨大な女校長がいて、生徒をぎゅうぎゅう痛めつけている。横暴で高圧
的な大人たちに頭脳で立ち向かうマチルダの、痛快仕返し物語。
ダールは、子どもの立場からみた大人の理不尽さを描くのが本当に上手い。マチルダの小学校には、子ど
もが大嫌いで、殺したいとすら思っている恐ろしい校長がいる。子どもたちは彼女が怖くて仕方なく、内心
びくびくしているが、それでも勇敢に立ち向かっていく。ある少年が引き起こしたチョコレートケーキ事件
では、大きな感動すら覚える。子どもだけでなく、大きくなった人も楽しめる一冊。
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