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ペンネーム ごはんおかわりロボ 【画像なし】
書名 怒り(上・下巻)
著者 吉田修一
出版社 中央公論新社
おすすめ度
推薦のことば
以前映画版を観たことがきっかけで借りました。住宅街で夫婦が殺害される事件が起こって容疑者の男が指名手配されているさなか、国内三ヶ所にそれぞれ身元不明の男が現れて……という筋書きは共通していますが、やはり原作のほうが全てにおいて描写が細やかでした。最たる例が容疑者を追う刑事視点の描写です。たしか映画ではかなりカットされていましたが、捜査中の場面だけでなく日常生活や人間関係も事細かに描かれていたため終盤のやるせない展開により感情移入することができました。本作はタイトルである「怒り」の感情を軸にして物語が進みます。ですがより細かく言うなら「それぞれの抱える怒りを理解しあうことの難しさ・とほうもなさ」が筆者の伝えたかったことなんだろうか、と思わせられるラストでした。
特に救いとかはないので、親しい間柄でのどうしようもなく分かり合えない部分が好きな方、重暗い読後感に浸りたい方におすすめです!
資料ID 481614F 請求記号 B-9192-1